不動産賃貸をすれば相続税評価額が下がりますが、以下のように3つの段階で考えてみます。
Step1-路線価評価による減額
Step2-貸家建付地としての減額
Step3-小規模宅地の特例の適用
1億円を現金で持っているとしましょう。この場合、相続税評価額は1億円そのものです。
(Step1-路線価評価による減額)
では、このお金でアパートの土地部分を1億円で購入したとしましょう。
土地の評価は路線価で評価しますが、
この路線価は時価の8割
とされています。1億円で購入した土地が、8千万円の評価額となるわけです。
(Step2-貸家建付地としての減額)
この土地には建物が建って賃貸していますが、
その場合、貸家建付地として、借家人部分が減額されます。
どのくらい減額されるかというと、
貸家建付地=自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
となります。
借地権割合は路線価図においてA~と記載されているものであり、30%~90%となります。
路線価にCと記載されていれば、借地権割合は70%となります。
借家権割合は全国一律30%となっています。
仮に借地権割合を70%、賃貸割合を100%とすると、上記の式に当てはめて、
貸家建付地=80,000千円×(1-0.7×0.3×1)=80,000千円×0.79=63,200千円
(Step3-小規模宅地の特例の適用)
小規模宅地の特例の要件に当てはまる場合、さらに減額されます。
限度面積は200㎡ですが、それ以下であれば、50%減額となります。
仮にこの特例を適用し、土地の面積が200㎡とすると、
貸付事業用宅地=63,200千円×(1-0.5)=31,600千円となります。
現金で保有していれば1億円と評価されるのに、
アパートに投資したとたん、7割ほど減額となりました。
このためお金持ちは少しでも税金を安くしようと不動産に絡めて色々な節税を試みようとします。
ただ、そのうちの幾つかは近年、否認された事例もありますので、注意してください。