相続税法の財産評価について、不動産評価の基本をお話ししたいと思います。
基本型さえ押さえれば、後はその応用なので、それほど難しいものではありませんので、
ご安心ください。
なお、簡単にするために、私なりの解釈をしているところもありますので、ご了承ください。
路線価方式と倍率方式
まず、評価方法には路線価方式と倍率方式の2つがありますが、
これは所在地によって決められています。ある地域が路線価方式なら路線価で、
倍率方式なら倍率方式でしか評価できません。
路線価方式:その宅地の面する道路等に付された路線価に基づいて計算
倍率方式 :固定資産税評価額に評価倍率表の倍率を乗じて評価
ということです。
路線価方式による評価の基本型
土地の評価は
単価×地積
となります、土地の評価はこの単価をどのように算定するかに尽きます。
路線価方式による評価は一方のみ路線に接する土地、これが基本型となります。
正面と側方に路線がある場合、正面と裏面に路線がある場合などの応用型は、
この単価が増減することになります。上記の式は、路線価の計算上、
単価×地積=路線価×奥行価格補正率×地積
となりますが、「路線価×奥行価格補正率」は必ずセットとなります。
奥行価格補正率とは、土地が接している道路からの奥行が深い(又は浅い)
土地の相続税評価額を計算する際に、土地の価額を減額するために乗じる割合のことです。
路線価方式による評価の応用型-正面と側面
正面と側面に路線がある場合はどのようになるでしょうか。
正面だけではなく側面も道路に面しているのですから、それだけ価値は上がります。
その価値はどのように上がるか?それは、
側方路線影響加算率
として、加算されます。
まず、正面と側面に道路があるのですから、どちらが正面か?を決める必要があります。
これは、路線価×奥行価格補正率の高い方が正面路線価となります。
①は一方のみに路線に接する土地の単価で、②は側方路線分の加算額です。
①正面路線価×奥行価格補正率
②側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
(①+②)×地積
つまり、単価は、
一方のみ路線に接する場合の単価+側方に面する部分の加算単価
ということになります。
路線価方式による評価の応用型-正面と裏面
正面と裏面であっても考え方は正面と側面と同じです。
①正面路線価×奥行価格補正率
②裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率
(①+②)×地積
路線価方式による評価の応用型-三方または四方
上記の側方路線影響加算率及び二法路線影響加算率を併用することにより評価します。