公認会計士業務

循環取引は不正です!

日本公認会計士協会からのお知らせです。

2022年8月に証券取引等監視委員会から公表された開示検査事例集では、
新たな掲載事例の一つに循環取引の事例が紹介されています。

循環取引は、意図的かつ極めて巧妙に仕組まれ、また、正常取引を装うものが多いため、
通常の監査業務の中でこれらを発見することは困難な場合も多くありますが、
監査人としてその発見に向けて不断の努力が必要であると考えます。

日本公認会計士協会

循環取引とは、複数の企業が共謀して商品の転売や役務の提供を繰り返すことにより、
取引が存在するかのように仮装し、売上や利益を水増しする行為の総称です。

開示検査事例集(令和3年)

はっきり言うと循環取引を見つけることは90%程度無理と思います。
私自身も事後的にではありますが、循環取引を調査したことがありましたが、
請求書がしっかりとそろって、入金も期日通りになされていますので、
これは無理だと確信しました。
ただ、循環取引は、やりやすい業種・取引形態というのがあります。

循環取引をやりやすい業種・取引形態は、モノの出荷がないか、
モノを確認するのが困難な業種・形態

です。
例えば、水産卸のように伝票だけで取引がなされてしまう、モノは名義変更などによりなされるため、
現物の出荷が会社でなされることはない場合です。
また、ソフトウェアなどのように、そのモノを確認するのが困難な場合です。

経営者が率先して循環取引を行うような場合は別として、
製品倉庫などから一定の手続きをもって、現物が出ていくような業種・形態では、
循環取引はやりづらいということです。この場合は倉庫の担当者も巻き込まなければなりません。
関与する人が多くなればなるほど、バレル可能性は高くなります。
そう簡単にできるものではありません。
こうした内部での牽制が働く場合には循環取引は難しくなってきます。

私の調査した循環取引では、出ていくときはあさりでしたが、
ぐるっと回って戻ってきたときはいくらになっていました。
現物ではこうはいきませんが、水産卸で伝票での取引でしたので、出来たのでしょうね。

循環取引は不正です!


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