はじめに
FP試験と宅地建物取引士試験とでは、不動産に関していくつか被る点があります。
特に多いのは建蔽率、容積率についてではないでしょうか。
どのような点がかぶっているかについて説明したいと思います。
被っているということは、実務でも大事だということです。
建蔽率
建蔽率とは
建蔽率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことをいいます。
この建蔽率の最高限度額は、用途地域により定められています。
例えば
商業地域では10分の8、
工業地域では、10分の5または6のうち都市計画で定めたもの
第一種住居地域~準工業地域では、10分の5、6、8のうち都市計画で定めたものとなっています。
そして、この最高限度の範囲で、都市計画により地域ごとに建蔽率が指定されます。
地域ごとに建蔽率は定められている
といういことです。これが原則ですので、原則があれば例外があります。
建蔽率の適用除外
まず、建蔽率の制限がない地域です。
・建蔽率の最高限度が10分の8とされている地域内
・防火地域内にある耐火建築物
この地位については建蔽率100%ということで建蔽率の制限はありません。
次の緩和と区別するには建蔽率の最高限度が10分の8の地域であるということに注意してください。
この他、
・派出所、公衆便所など
・公園、広場などの内にある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上、衛生上支障がないと認めて、
建築審査会の同意を得て許可したもの
も建蔽率の制限はありません。
建蔽率の緩和
先ほどは建蔽率の制限がない地域でしたが、こちらは緩和の地域です。
・建蔽率の最高限度が10分の8とされている地域外
かつ、防火地域内にある耐火建築物
準防火地域内にある耐火建築物または準耐火建築物
・特定行政庁が指定する角地にある建築物
これらはそれぞれ10分の1ずつ緩和されます。
両方満たす場合には10分の2となります。
10分の8とされている地域外ですから、気を付けてください。
建蔽率の異なる地域にまたがって敷地がある場合
それぞれを加重平均して建蔽率を計算します。
容積率
容積率とは
容積率とは敷地面積に対する延べ面積の割合のことをいいます。
容積率の最高限度が地域ごとに決められています。
そしてこの最高限度の範囲内で、都市計画により地域ごとに容積率が指定されます。
容積率の制限
容積率は前面道路の幅員により制限を受けます。
前面道路が12メートル以上の場合には指定された容積率ですが、
前面道路が12メートル未満の場合には、次のうち小さい方となります。
①指定容積率
②前面道路の幅員×法定乗数
この法定乗数は一般的に住居系は10分の4、それ以外は10分の6となっています。
よくここは試験に出てきますので、注意してください。
例えば、前面道路7m、指定容積率300%の場合、前面道路が12メートル未満ですので、
①指定容積率300%
②7×10分の4=2.8=280%
小さい方を取りますので、容積率は280%となります。
容積率の特例
住宅地下室(天井が地盤面から1m以下のものに限る)で住宅部分の床面積については、
当該建築物の住宅部分の床面積の3分の1を限度として延べ面積に算入しません。
また、アパートなどの共同住宅は、共用の廊下・階段は、延べ面積に算入しません。
容積率の緩和
前面道路が幅員15メートル以上の特定道路に接続する場合には、
一定の計算式によって定められた容積率となります。